東日本大震災を引き金とした福島第一原発の同時多発メルトスルー事故は、かねてから私たちが恐れていた原発の恐るべき危険性を現実のものとしました。
福島第一原発事故は福島県と東北地方を中心に、日本列島の大気・土・水・海・農畜水産物・山林原野・下水汚泥・がれきなどを広範囲に汚染しつつあります。
これから被曝した住民や子どもたちの健康への影響が大きな問題になってくるでしょうが、高濃度汚染の事故現場の周辺で、その処理に当たる下請け労働者の被ばくは深刻です。
福島第一原発から半径30キロ〜50キロ圏内の圧倒的多数の住民は、強制避難ないしは自主避難の対象となりました。多くの住民たちが住み慣れた故郷を追われるようにして、転々と避難生活を余儀なくされています。
福島の現実に照らして、もし島根原発で重大事故がおきたら、原発から半径20キロ圏内の松江市の住民は県庁や市役所ともども避難の対象となるばかりか、半径30キロ〜50キロ圏内の出雲市や境港市や米子市の住民も避難せざるを得なくなります。
北西の季節風が卓越した山陰の風土から、ホットスポットの高汚染地帯は倉吉市や鳥取市にも及び、島根県のみならず鳥取県の農業や畜産業や水産業が壊滅する恐れもあります。また、放射能は山陽側に抜け、関西方面にも及ぶ危険性があります。
福島第一原発事故はプレート境界型地震ですが、島根原発は活断層直下型地震に見舞われる可能性が極めて高いことは言うまでもありません。
島根原発の1号機と2号機は、このたび重大な事故を引き起こした福島第一原発と同様のマークTと呼ばれる沸騰水型(BWR)の原子炉で、欠陥炉と指摘されています。しかも、1974年に運転開始した島根原発の1号機は、より危険な老朽原発であり、私たちはいまそこにある危機を福島の住民たちと共有しているのです。
もう待ってはおれません。わたしたち自身が立ち上がって、本気で島根原発を止めなければ、いまそこにある危機から脱することは、できないでしょう。
老朽原発の1号機は一刻も早く運転を停止させましょう。危険をさらに増す2号機のプルサーマルはもってのほかです。新設炉である3号機も中止に持ち込まねばなりません。
事実として原発がある以上、島根原発の安全協定の在り方を抜本的に見直し、福島第一原発事故の影響や被害の実例に照らして、従来の8〜10キロ圏を越えた島根・鳥取両県の周辺自治体は、新たな安全協定を中電と締結することも急務です。
私たちは、もはや原発と共存することはできません。さよなら島根原発ネットワークは、これらの実現に向けて全力を尽くします。多くの皆様に、この呼びかけへの賛同を募ります。なお、賛同いただいた方のお名前は、ホームページ上において公表させていただきますことをご了承ください。
一人でも多くの人びとの意思を結集して、島根原発を止めましょう!
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