かわらばん68号(2006年3月議会報告)
3月定例議会は1日から28日まで開催されました。今任期中最後の議会ということもありほとんどの議員が質問に立ちましたが、野坂市長の答弁は「予算がない」の一点張りで、全く元気がありませんでした。市民からも、「米子市には元気がない」「今の市政では先が見えない」という声が多く聞かれます。
 小泉内閣の三位一体改革で地方財政が大幅に削らわ、米子市も財政の建て直しを求められていますが、ひたすら予算をカットするてとだけが行政のやることでしょうか。国に言われた ことと、公共事業しかやってこなかった米子市政の問題点が露呈しました。いまこそ、市民の出番です。
   =徹底した市民参加制度を=

 3月議会で新米子市のごみ処理基本計画が示されましたが、ごみ減量目標は政府の計画に比べてもはるかに低い目標数値です。可燃どみの半分を占める生ごみや草木類の堆肥化などは全く検討されていません。団体割り当ての委員が中心の審議会とコンサルタント会社(委託料千2百万円!〕が作った計画では、何の役にも立ちません。関心のある市民に広く呼びかけ、計画づくりにとどまらずその後の取り組みにも参加してもらえば、一気にごみ減量化は進むはずです。
 これからは、あらゆる政策や計画づくりにあたっては審議会委員をできるだけ多く公募させ、市民の力を発揮して、元気な米子をつくりましよう。

    =ハコモノ行政から文化行政へ=

 野坂市長は合併後のまちづくりのスローガンに、?新たな文化の発信拠点をめざす″ことを掲げています。しかし、文化を育むうえで重要な役割を担う図書館の職員数は、全国の同規模都市の中で最低です。また、新年度予算では学校修繕費用を大幅に削るなど、教育、子育て関係に厳しくなっています。
 一方では、過大投資と批判されている堀川改修事業に8千万円が計上され、今後も、道路新設(5千5百億円)や米子空港滑走路延長(2百億円)などの大規模事業が継続されようとしています。
 ハコモノ行政から脱却し、教育・文化・福祉・環境などを大切にする行政に転換し、未来を担う人づくりに積極的に投資させましょう。

   =アカガイを再び米子の名物に=

 中海は元々、魚介類が豊富で、泳げる海でした。中海の水質が改善されたら、年間60億円の漁獲高が見込まれるといわれています。少なくとも6百世帯が生計を立てることができます。これほどの産業振興は他にはありません。
 国と県は、干拓堤防をひとつだけ開削して幕引しようとしていますが、中海の自然を取り戻すために、これからも、ふたつの干拓堤防の開削と浅場造成などの環境修復を求め続けましょう。

   =必要な行政サービスは継続を=

 3月議会に「米子市行財政改革大綱・実施計画」 が示されました。5年間で47億円余りの支出を削減するとのことですが、生活保護世帯児童の修学旅行小遣い金補助の見直し、市営葬儀事業の廃止、高齢者バス利用優待券の廃止、市税等滞納者への公共サービスの制限、下水道等公共料金の値上げ、高齢者無料入浴サービスの有料化、公立保育園の民間移管、学校給食の民間委託など、市民生活に深くかかわるものが数多く含まれています。
 行政サービスは市民の助け合い、分かち合いの意味もあります。行政サービスを削り、何でもかんでも「自己責任」では、困った人を見捨てる冷たいまちになってしまいます。必要な行政サービスは継続し、だれもが元気で、安心して生きられるまちをつくりましょう。

   =地元商店、企業の利用を=

 スーパー「イズミ」出店反対を求める6件の陳情は継続審査(廃案)になり、新しい議会に持ち越されました。県外資本大型店の郊外立地は、市街地の空洞化をますます進めるばかりでなく、米子市の経済にとってもマイナスです。
 お金を県外に吸いとられないように、地元商店、企業を利用し、循環型の地域経済を確立しましょう。

   =議会が変われば、市政が変わる=

 議会は市民の代表機関とtて、市民のための条例を作ったり、市長が提案する予算を組み換えたりする権限があります。しかし、米子市議会の実態はその機能を果たしていません。議会として日頃から市民との対話の機会を持ち、公聴会制度を活用して政策能力を高めることなどを提案してきましたが、残念ながら消極的な議員が多く、実現していません。
 議員と議会が変われば市政が変わります。市民のための議会に変えましょう。

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