市議会かわらばん第55号
国会で審議されている有事法案は、武力攻撃の概念や範囲があいまいで安易に戦争行為に突入する恐れがある、私有財産の収用や市民に対する役務の強制など基本的人権を否定するものである、戦争反対の言論や報道をも規制し民主々義を破壊するものである、など大変危険なものであることが明かになりました。
さらに、自治体が管理する道路や公園なども、自治体の管理権を無視して自衛隊が好きなように使えるようになります。自治体が従わないときには、国が「直接執行」することができ、地方自治そのものをも否定する内容になっています。
市長に対して、国に説明や意見聴取を求めたり、廃案や慎重審議を求めるなどの働きかけをすべきではないかと質問しました。
市長は、「国会で審議されている法案は武力攻撃事態の定義や国と地方公共団体の役割分担など不明確な点も多く、また、審議についても拙速な感がしている。6月6日に開催された全国市長会で、地方自治体への十分な説明を行うとともに、地方自治体の意見を十分に協議することを国に対して要望することを決定した。今後も引き続き、全国市長会を通じて法案内容や審議のあり方について国に働きかけて参りたい。」と答弁。
そこで、現在の法案を成立させることについては反対であると理解していいのかと確認したところ、「その通りです」と明確な返事が返ってきました。
なんと! 議会は賛成
6月議会に、自治労鳥取県本部から「有事法制は国会で十分な議論を尽くし、成立を強行しないように求める意見書を提出してください」という陳情が提出されました。
有事法制反対意見書の採択は無理でも、慎重審議を求める陳情は、市長も強行すべきでないと表明し全国各地の議会でも決議されているので大丈夫だろうと考えていました。委員会では賛成多数で採択されましたが、本会議では新政会、明正会、公明党が反対して15対15で可否同数になり、結局、中本議長が否決してしまいました。
賛成した議員たちは、この法案の危険性をどう考えているのだろうかと、本当に腹立たしくなります。
住基ネット
8月から国民全員に11桁の番号
国民管理で自由のない社会が・・
もうすぐ、皆さんのところに家族全員の「背番号」が届きます。とりあえずは、国民全員の氏名、生年月日、住所、性別が「背番号」によって国に一元管理されることになりますが、将来、さらにいろいろな個人情報がコンピューターによって一括管理される危険性があります。
政府は「住民基本台帳ネットワークのシステム稼働は民間部門を含めた個人情報の法整備が前提である」と約束して強行的に導入しましたが、個人情報保護法は成立していません。それなのに、約束を無視して8月5日からシステムを、予定通り稼働させようとしているのです。
福島県矢祭町や杉並区、国分寺市などがネットワークへの不参加を表明し、多くの自治体が延期を国に申し入れ、鳥取県議会など約八十の議会で延期を求める決議があげられています。
米子市としても延期を求めるべきであると市長に質問しましたが、「米子市としては稼働時期延期を求めることは今のところ考えていない。真に国民の権利利益を保護するため、慎重且つ徹底した審議の上に法整備をしていただくことを願い、法案審議の推移を見守っていきたい」という答弁でした。また、延期を求める意見書を議会運営委員会に提案しましたが、これも反対があり残念ながら実現できませんでした。
防衛庁が情報公開請求者の個人リストを作成していたことが明かになりましたが、国民総背番号制度が実施されれば、国民のあらゆる個人情報を管理することが簡単にできるようになります。自由のない窮屈な管理社会は御免です。
市長は、「国を信じるしかない」と言っていますが、住民情報をネットワークに提供するのは自治体であり、個人情報の漏洩や不正利用があった場合は当然自治体の責任が問われます。 だからこそ、矢祭町の町長は住民を守るためにはネットワークに参加できないと決断し、全国からわがまちの首長もあのように毅然と対応してもらいたいという多くの賞賛の声が寄せられているのです。
これからも住民基本台帳ネットワークシステムの問題点を明らかにし、廃止を求める世論を形成していきたいと考えます。
市町村合併
いい加減な広報紙の内容
市民への情報提供はこんなことでいいのか
5月と6月の2度にわたり全家庭に市町村合併に関するパンフレットが配布されましたが、情報が一方的であるばかりでなく、不正確な記述や表現が数多く見られます。
例えば合併経費の問題です。 多くの市民が、合併は大事な問題なので十分に時間をとって検討すべきと考えていますが、パンフレットは、「合併するためには、事務の統一など多額の移行経費がかかるので特例法で支援してもらわなければ難しい」と書いています。支援を受けるためには2005年3月までに合併しなければいけないとプレッシャーをかけています。
しかし、3〜5億円もあれば合併事務はできます。針小棒大な書き方ではないかと市長に質問したところ、「不十分な点があった。市民に誤解を受けるような書き方をしてはならないと思う。これからは議会とも相談してこれでいいという返事をもらってから出すようにしたい」と非を認めました。
また、パンフレットは、「住民サービスが切り捨てられるような合併は行わない」と書いていますが、合併先例地はどこもサービスの低下が問題になっています。
私は、昨年末に東京都あきる野市を訪ねました。あきる野市は95年に合併しましたがわずか2年後には「サービスは高く、負担は低く」という標語は合併の方便だったといって、5年目から公共施設料金などを相次いで値上げしています。
西東京市は昨年3月に合併し1年後には受益者負担の増大、施設の統廃合などを打ち出しました。99年に合併した笹山市も、通学区域は従前通りにすると約束していながら、2年後には小学校や保育園の大幅な統廃合方針を打ち出しました。
経済効率を主な理由として合併する以上、当然の帰結です。米子市だけが住民サービスを低下させないで合併するという根拠がどこにあるのかと、市長に質問しました。
市長は、「嘘までついて合併に持っていこうとは考えていないが、なるべくそれに近付くように取り組んでいきたい」という苦しい答弁しかできませんでした。
このような正確でない情報ばかりを流すことはやめて、メリット、デメリットを冷静に議論するための公開討論会を行うよう、改めて求めました。
市長は、「一方的に賛成、反対というのではなく、いろいろな意見の討論会あるいはシンポジウムをやり市民の意見を吸い上げていくようにしたいと考えている」と答えましたが、7月27日に開催されたシンポジウムは、推進意見がほとんどであり、合併の問題点を市民が認識できるようなものではありませんでした。
過去の議会でも何度か取り上げられましたが、いまだに放置自動車は後を絶ちません。最近私が歩いてみただけでも、元の魚市場に18台、市民体育館駐車場に5台、市民プール駐車場に1台などが目に付きました。
市として調査をしているのか尋ねたところ、「米子市の管理地に放置されているものは17台、市の管理地と民有地にまたがるものは19台、計36台を確認している。平成11年度から現在までに52台を撤去した。今後撤去予定のものは28台」ということでした。
しかし、長いものは4年以上も放置してあります。現在、全国でかなりの数の自治体が放置自動車防止条例を制定し、どこも6ケ月くらいで撤去できるようにしています。京都などは1ケ月で撤去できると言っています。
米子市でも条例を制定して迅速に対処するよう求めました。
「16年施行予定の自動車リサイクル法と米子市の放置自動車の状況を勘案しながら、条例制定の必要性について判断したい」という市長答弁でした。
5月16日の新聞に「米子市議会も合併行脚開始」という記事が載り、驚きました。というのは、議会としては特別委員会を設置して議論中であり、合併に向けて動くということは確認していないからです。
そこで、ひとり会派と共産党の6名の議員で中本議長や平田特別委員長に対して抗議し、残りの町村への行脚中止を求めました。しかし、行脚することは委員会で確認したと言い張り、あげくは、「報道が間違っている、懇談会を呼びかけただけで合併の働きかけはしていない」といい逃れる始末。報道陣も苦笑いしていました。
その後開催された合併等調査特別委員会では、特に平田委員長の委員会運営はでたらめで、発言する議員の名前を呼び捨てにし、「黙っちょれ!」と暴言を吐いたり、挙句の果てには、自分に対する解任決議が出されることを知ると、「法律的にはできても、自分は許さない」と発言。これには、さすがの合併推進の議員や当局もあぜんとしていました。12期、47年間も議員をやっていると、自分の言うことは何でも通ると思ってしまうのでしょうか。
このようなやり方を許していては、合併賛成・反対にかかわらず責任ある議会審議はできません。そこで、6名連名で、定例市議会初日に議長不信任決議と特別委員長解任決議を提案しました。
個々人では議長や委員長のやり方を批判している議員は多いのですが、開票してみると一人も同調者はありませんでした。会派に縛られて自由に意思表示もできないなんて、本当に情け無いことです。
6月議会の直前、駅前サティ(倒産したマイカル社が経営)存続のために米子市が支援を計画していることが明らかになりました。
現在、駅前サティの店舗と、隣接する立体駐車場は米子市も出資する第3セクターの 「駅前開発株式会社」が駅前サティに貸しています。しかし、土地と立体駐車場はイトイという不動産会社のもので、駅前開発株式会社が借りて、駅前サティに又貸しているのです。
駅前サティがなくなると駅周辺がさびれるなどの理由から、米子市はマイカル社の管財人であるイオン株式会社に存続を要望してきました。それに対してイオンは、3億6000万円の店舗と立体駐車場の賃貸料を7割まけろという存続条件を出してきました。
そこで米子市が検討しているのが土地と立体駐車場をイトイから買取り、賃貸料を1億3〜4000万円に値引きするという案です。米子市開発公社が金を借りて買取り、それを駅前開発に貸すというのです。駅前開発からの貸料収入で開発公社の借金は返すことができるといっていますが、関係者との交渉が煮詰まっていないということで具体的な数字はまだ明らかにされていません。
開発公社が借金するときの保証は米子市がするので、もしもの時の穴埋めは市民負担になります。重大な問題なので、情報公開と慎重な議論が必要です。
1988年に凍結されていた中海・宍道湖淡水化事業がいよいよ中止されることになりました。一昨年の本庄工区干拓中止に続き、20数年におよぶ住民運動の成果です。これからは、中海・宍道湖の環境回復が課題です。
6月7日に、松江市で「中海宍道湖環境回復シュミレーション」の発表会があり、参加してきました。財団法人宍道湖・中海汽水湖研究所が日本財団の助成を受けて行ったものです。森山と大海崎の両干拓堤防を開削し、弓ケ浜沿いの浚渫窪地を埋め戻すなどの対策を行ったら、米子湾まで含めて中海・宍道湖の水質がかなり改善されるという結果が報告されました(米子でも9月に発表会を予定しています)。
中海・宍道湖の汚濁は、干拓工事により日本海からの海水の流れが遮断されてから急激に進行しました。干拓・淡水化事業の後始末として、国は当然に元のように戻す責任があります。
米子市議会(境港市議会も)は、「美しい中海を守る住民会議」から提出された「国の責任で堤防を開削するように働きかけてください」という陳情を、3月議会で全会一致で採択しています。議会と市長、市民が一体となって、さらなる取り組みが求められています。
今年10月から、次の団体の情報公開制度が米子市と同じように始まります。積極的に利用してください。なお、西部広域行政管理組合と米子市ほか9ケ町村衛生施設組合の情報公開はすでに行われています。
社会福祉法人米子福祉会
財団法人米子市福祉事業団
米子市土地開発公社
財団法人米子市開発公社
財団法人米子市生活環境公社
財団法人米子市教育文化事業団
財団法人米子市公園協会
米子駅前開発株式会社
財団法人米子勤労総合福祉センター
財団法人中海水鳥国際交流基金財団
社会福祉法人米子市社会福祉協議会
財団法人米子市学校給食会
社団法人米子広域シルバー人材センター
米子市土地改良協会
財団法人とっとりコンベンションビューロー