市議会かわらばん第54号
森田市長は、1月末から2月にかけて、市町村合併の必要性について中学校区毎に住民説明会を行いました。市町村合併は地域の将来にとって大変重要な問題であり、合併で本 当に住民が幸せになれるのかどうか慎重に検討しなければいけません。しかし、住民に正 確な情報を伝えないままに合併を急ぐ市長のやり方に、大変な危惧を覚えます。 3月議会では、市町村合併の問題点を明らかにするために、次のような点について市長 と議論しました。
(1)国が合併を進める目的
(質問)
国は自治体の数を3分の1に減らそうとしているが、自治体数を減らして地方にまわす金を減らそうというのがねらいである。合併しなかったら交付金を減らすと脅して合併を強制している。
各自治体はこれ以上地方交付金を減らされたらやっていけないと、浮き足立って合併に
向かっているが、地方の危機的財政を解決するためには全国の自治体が団結して国に対して財源の移譲を求めることが先決である。いま合併を進めることは、国の分断工作に乗ってしまうことになる。
(市長) 市町村合併は、地方分権のために市町村の機能、能力をアップするためであるという国の基本姿勢が示されている。財源移譲は全国市長会を通して働きかけるが、合併を理由に先延ばしされることはないと思う。
(コメント)
新潟県加茂市長は、「地方へよこす金を減らしても地方が文句を言わずにやっていく体制をつくるために合併を進めようとしている」「合併は避けて通れないとの考え方は、民主々義、地方を破壊し、国を滅ぼすものだ」と国を痛烈に批判しています。森田市長にもこのような毅然とした態度をとって欲しいものです。
(2)期限を切るのはおかしい
(質問)
市長は合併の特別手当がある2004年までに合併するといっているが、政府の地方制度調査会でさえ、「合併の推進に当たっては地域の一体感が高まっていることが重要であ
る」といっている。一体感がないのに無理やり合併したら、将来、地域がいがみ合う事態
も生じる。一体感を作るためには時間が必要である。国が期限を切り、アメとムチで合併
を進める今のやり方をどう思うか。
(市長) もう少し時間が欲しいというのが正直な気持ちだが、合併には相当の費用を要するので
国の財政支援措置がある間に努力したい。
(コメント)
あと2年で一体感をつくることなど、誰が考えても無理です。
(3)合併しないと生き残れないのか
(質問)
小さな自治体で合併せずに頑張ろうとしているところもある。市長は合併しないと生き残れないかのような説明をしているが、なぜ合併しないとやっていけないと考えるのか。
(市長)
将来の財政推計をみると現在のサービス水準は維持できない。住民負担を増やさずにサービスを維持するための選択肢が合併である。
(コメント)
合併の財政支援は15年間で、しかもほとんど建設事業ばかりです。16年目以後は以前と同じであり、なぜ合併でサービス水準が維持できるのでしょうか。
(4)合併で過疎が進行する
(質問)
市長は、「これ以上の過疎を招かないためにも合併は必要」というが、合併で過疎が薄められるだけで、過疎が解決するわけではないと考える。どうしてそのようなことが言えるのか。
(市長)
合併によって過疎に歯止めがかかるわけではないが、過疎地では高齢化により住民サー
ビス維持の経費が増加するが、若年人口の減少によって納税者数はさらに減少する。負担
とサービスのバランスを保つためにも合併は必要。
(コメント) 昭和の大合併で過疎地が市に包含され、市の周辺部の過疎がますます進んだという事実があります。合併は過疎の歯止めにならないばかりか、過疎の進行を促します。
(5)地方自治体は小さいほうがいい
(質問)
合併して大きくなれば、ア、民意が反映されにくい。イ、きめ細かな行政サービスができない。ウ、市長、職員が住民から遠くなる。エ、身近に首長や議員がいなくなり、おまかせになる等、誰が考えてもマイナス面が大きい。市長の認識は?
(市長)
なぜそのようなことを言われるのか理解できない。これらは合併以前の問題として、行政が常に意識しておかなければいけない問題である。
(コメント) 地方自治制度で大切なことは効率性ではありません。効率性をいうのであれば鳥取県全体を一つにしたほうがより効率的ですが、それでは地方自治制度は死んでしまいます。下表のように、世界の地方自治制度に比べて日本は自治体数が圧倒的に少なく、人口規模も大き過ぎます。効率性(金の問題)と引換に大切な地方自治制度を殺していいのでしょう
か。
(国 ) ( 人 口
) ( 自 治 体
数) アメリカ 2億人
1万8千以上(半数が千人未満)
フランス 5千万人
3万5千(約9割が2千人未満)
ドイツ 8千万人
1万5千(5千人〜1万人規模)
日本 1億2千万人 3千2百余り
(6)小さな自治体でも事務はできる
(質問)
大きくなれば専門的職員の育成・確保ができるといっているが、合併しなければ手立てがないのか。確保できない小さな市町村を応援するために県の役割があるのではないか。
(市長)
小さな自治体でも県などへの事務委託で確保することはできる。あくまで合併の一般論のメリットであることを理解いただきたい。
(7)特例市昇格はそんなに意味があることか
(質問)
人口が20万人になって特例市になれば権限が移譲されると盛んにいっているが、特例市になることのメリットは住民にとってそんなに大きいことなのか。
(市長)
特例市になれば騒音、振動等の規制権限が持てるが、特例市になるかどうかは結果の問題であり、20万人以上にならないとメリットがないということではない。
(コメント)
特例市になれば公害防止の権限が移譲されると言っていますが、現在でも可能な公害対
策等を行っていない米子市が特例市になったとしても、何も変わらないでしょう。
(8)合併特例債の使い道
(質問)
「(合併による臨時的収入が)14市町村合併で1,238億円、2市合併で316億
円」という数字が一人歩きしている。合併特例債の使用できる事例を説明しないと、市民の中にはあたかも借金返済にも当てられるかのような誤解がある。
(市長)
決して起債の償還に充当できるものではない。合併協議会で特例債を使って行う事業を決定するので、現段階では具体例は言えない。
(コメント)
特例債償還の7割を国が補填してくれるといっても、自治体が返済しなければいけない借金はさらに434億円〜171億円も増えます。借金できるからといって使っていたら
将来大変なことになります。
(9)合併特例債は国と地方の借金をさらに増やす
(質問)
国の財政危機を招いた要因のひとつとして、補助事業は何でも取ってこいという地方の
「依存体質」も問われている。しかし、特例債は同じ質のもの。国が返済を手伝ってくれるので、枠一杯使えという発想が各地にみられる。経済界には特例債を受けられる期限内に合併できなければ意味がないという発言さえあるが、市長はどう考えているのか。
(市長)
合併には多額の費用を必要とするので、期限を過ぎると合併は困難になると思う。
(コメント)
静岡市と清水市は合併後に総額約5,600億円の事業を行う計画だが、1,565億円の都市基盤整備事業や320億円の公園整備事業など、この機会に使えるだけ使えというような内容です。こんなことで、国や自治体の財政は将来どうなるのでしょうか。
(10)相手のことも知らずに合併できるのか
(質問)
市民にとっては、相手も分からずに結婚を迫られているようなもの。合併を投げかけるのであれば、少なくとも他市町村の情報を提示し、合併によってどういうまちができるのかという判断材料を市民に提供すべき。例えば、各市町村の一人当り歳出額、今後のまちづくりの課題や資金需要予測、住民生活の現況などの情報提示を。
(市長)
相当の量があり、全ての情報を提供することは困難。必要な情報も人によって違うので
情報提供に苦慮している。例にあげられたような情報は何らかの形で市民の方に提供した
い。
(11)周辺市町村は合併に積極的ではない
(質問)
境港市議選での候補者アンケートを見ると、合併容認は20人のうち4人だけで後は反
対若しくは慎重論である。また、新聞報道によると岸本町長は「多少財政負担が増えても住民が我慢できるなら自立したい」と発言。他市町村の合併に対する姿勢は積極的とは思えない。各市町村の現段階での反応を具体的に説明されたい。
(市長)
昨年末から今年初めにかけて各市町村長に会った段階では、明確に態度を示された方は一人もなかった。中には積極的でない意見をもっている人もあろうかと思うが、現段階では新聞報道くらいしか分からない。
(コメント)
森田市長は、「厳しくなる町村を支えてあげるのも米子市の役割」ということを合併推進理由の中心にあげていますが、他市町村に失礼な言い方です。少なくとも、米子市からの働きかけはやめて各市町村の主体的な判断に委ねるべきです。
(12)賛成・反対の公平な情報提供を
(質問)
新年度に合併問題シンポジウム開催などを予算化しているが、市民がメリット、デメリ
ットを考えるためには賛成・反対両者のパネラーによる公開討論会が望ましい。市長の見解をたずねる。
(市長)
今後、そのように検討したい。
動き出す住民基本台帳ネットワーク
米子市としてプライバシー保護対策を
国民全員に11桁の番号を付け、市町村と都道府県、国の機関をコンピューターで結んで住民情報を共有化する住民基本台帳ネットワークシステム。いよいよ今年8月から国の
機関へ氏名、住所、生年月日などの住民情報が提供されます。
制度が作られるときから、
「個人情報の国家管理につながり、情報の流出・流用の恐れがある」として強い批判がありましたが、ジャーナリストの桜井よしこさんたちが、「国民共通番号制に反対する会」
を結成して住民基本台帳ネットワークシステムの廃止を求めるなど、開始を直前にしてな
お、反対の声は広がっています。
東京都杉並区は、住民のプライバシーが侵害されると判断したときには住民基本台帳ネットワークへの情報提供を停止するという条例を制定しました。また、昨年末に日本弁護士連合会が全市区町村を対象にアンケート調査を実施した報告書によると、153の自治
体が「住民のプライバシー侵害の危険が高まる」と考え、杉並区と同様の条例制定を検討中、または今後検討したいという自治体が649もありました。
住民基本台帳の個人情報の管理責任はあくまで自治体にあります。米子市も杉並区のように、住民情報の漏洩や不正使用があった場合などの対応策を条例で定めるよう求めまし
た。
市長は、「情報の漏洩や不正利用は、人間が扱うシステムなので100%安全とは言い切れないが、これから制定される個人情報保護法で対応がどの程度行われるのかを見守るとともに、他の自治体の独自条例の情報収集を行いたい」と答弁しました。
また、来年から発行が始まる住民基本台帳カードは、市町村が条例で定めれば必要な情報を記録して多目的に利用できることになっています。発行は申請に基づくとされていますが、将来、国民管理のための「携帯義務制度」にエスカレートする懸念も持たれています。また、広範な個人情報がカードにストックされるので、民間機関での読み取りや盗難
・紛失などにより、個人情報が流出、濫用される恐れが高いものです。
住民基本台帳カードの独自利用を考えているか確認したところ、「市町村合併すれば見
直しもあるので、当分の間独自利用を行う考えはない」ということでした。
3月議会に、有事法制反対の意見書を国にあげることを求める陳情が提出され、ぼくは採択を主張しましたが、多数決により継続審議でした。
軍事作戦を進めるために、内閣総理大臣の権限を強化する、地方自治体に対する国の指
示権限を法制化する、民間の土地や建物などを強制使用し、様々な業種に働く人を強制動員する、そして作戦行動に従わない民間人にも罰則を適用するなど、有事法制の目的はひ
とことで言うと、戦争のためには何をやっても構わないという法律をつくろうということです。
また、アメリカ軍が日本の港や道路、公共施設などを自由に使うために、日本人の人権や地方自治、財産権などを制限することも可能にしようとしています。海外でアメリカ軍が戦争を始めれば、国内が武力攻撃を受けていないにもかかわらず自動的に有事ということになりかねません。何故なら、日米は共同で軍事行動をすることを定め、作戦支援範囲
はインド洋にまで広がっているからです。
戦争は相手を完全に殲滅するための軍事行為であり、そもそも人権や民主々義を認めて
いては成り立たないものです。そのことを日本は最悪の形で経験したがゆえに、その反省に立って、日本国憲法で非軍事原則をうたったはずです。
いままた、人権や民主々義を制
限して軍事行動ができる制度を作るということは、歴史の逆行であり、再び破滅への道を歩むことです。
テロも戦争もない世界を作るためには、貧困や南北格差の是正、異文化交流などの積極的平和政策を進めることが大切であり、有事法制や武力行使は平和をもたらすものではありません。
| (収 入)
| 前月からの繰入れ 471,173
| 議員報酬 1,500,000
| (50万円X3ケ月)
| 期末手当 350,000
| 委員会費用弁償 10,400
|−−−−−−−−−−−−−−−−
| 合 計 2,331,573
| (支 出)
| 議員共済掛金 166,750
| 所得税 109,680
| 国保料 49,000
| 慶弔会費(議会) 3,000
| 中川生活費 840,000
| (28万円X3ケ月)
| 通信費 104,250
| 資料代 30,906
| 活動費 286,460
| 印刷費 64,050
| 次月繰越し 677,477
|−−−−−−−−−−−−−−−−
| 合 計 2,331,573