市議会かわらばん 第50号

世紀の幕開けに思うこと

昨年の千年紀に続いて、今年からいよいよ21世紀。節目の時にあたり、いろいろと考
えさせられます。
20世紀の百年間に歴史は一気に変化しました。戦争と環境破壊の世紀と言われるよう
に、100年間に一億人の戦死者を生み、エネルギー消費量は20倍にも増え、地球温暖
化による海面上昇が大きな問題になっています。また、科学技術の驚異的発展がクローン
人間や自然界にないさまざまな生物をつくり出し、生態系も危機に瀕しています。
果たして、20世紀にわたしたちは幸せだったのでしょうか?,物質的豊かさと引きか
えに自然を失い、ゆとりとやさしさを失ったのではないでしょうか?,その結果、生きる
意味を見失い、子どもたちの心も追い込んだのではないでしょうか?
私は、21世紀の重要なキーワードは次の3点に集約されるのではないかと考えていま
す。
ひとつめは人類も自然界の一部であると認識し、他の生物を傷付けるような行為は一切
しないようにすること。ふたつめは貧困や差別を解消して社会正義を実現するために、国
内あるいは国家間において富を公平に配分し、他者の権利を尊重すること。みっつめは平
和は非暴力からしか生まれないという立場に立ち、全ての国・民族が軍事力を放棄するこ
と。
これらのことが実現できなければ、22世紀はないでしょう。実現できることを信じ、
あきらめずに、これからもみなさんとともに進んでいきたいと思います。21世紀もよろ
しくお願いいたします。


12月定例市議会報告
地震関連の質問に絞りました

昨年10月6日に発生した鳥取県西部地震から4ケ月経ちますが、まだ余震が続き、米
子市内でもブルーシートで被われた屋根がたくさんあります。鳥取県のまとめによると被
害状況は12月22日現在で、全壊788件、半壊2,756件、一部損壊10,597件
となっています。
鳥取県が住宅復興補助という画期的制度を作ったとはいえ、建て替えで300万円、修
理で上限100万円の金額では高齢者などは住宅再建は困難です。足りない資金の手当を
どうするかなど多くの問題があり、復興するまでにはまだ相当の時間がかかりそうです。
今後も被害者の声をうけとめ復興対策などの問題を取り上げていきたいと思います。

米子市防災計画見直しに市民の意見反映を
(質問)
この度の地震は米子市にとって初めての大災害の経験であり、防災計画の内容の不十分
な点もたくさん明らかになった。具体的には、ボランティアとの連係が不十分だったこと、
住民の安否確認などの初動体制で自治会への協力要請が行われなかったこと、余震が続く
中で児童を下校させたことなど…。記憶が新しいうちに反省点を整理しなければならない。
反省点や防災計画の見直すべき点として、市長はどのような問題があると考えているか。
また、防災計画の見直しにあたっては市民の意見を反映することが大切。時間が経たない
うちに、市民が困ったことなどについて大規模なアンケートなどを実施したらどうか。
(市長答弁)
ボランティアとの連係などを防災計画に入れることが大切だと考えている。見直しにあ
たっては関係機関・団体・市民の意見を聴く。アンケートなどの方法も早急に検討したい。

旧加茂川周辺町並みの保全対策を
(質問)
今回の地震は、旧加茂川周辺の歴史的建造物や土蔵群にも大きな被害をもたらした。江
戸時代の商家、昭和初期の旧書院造りの建物、加茂川沿いの土蔵群などが被害を受けてい
る。中には、全壊し、直ちに解体されようとしているものもある。急いで何らかの手を打
たないと、近い将来これらの建造物はなくなる危機にある。
旧加茂川周辺は歴史的町並みとしては米子市で唯一まとまった地域であり、米子市の景
観形成地区にも指定され、最近は観光客も多数訪れるようになっている。歴史的建造物は
一度失ったら二度と取り返しがきかない。被害状況を早急に調査し、文化財保護、景観形
成、観光振興などのあらゆる面から保全のための努力をすべきではないか。現状に対する
認識と、対応策について尋ねる。
(答弁)
被害状況はある程度把握している。価値は十分に認識しているが、現行制度では支援策
がなく苦慮している。お話をいただいたので今一度よく検討してみたい。こういう被害に
対して汗を流すことを惜しむものではない。積極的にやらなければいけないものはやる。

■地震による島根原発の危険性及び防災対策について

(質問)
地震の直後、多くの市民が島根原発は大丈夫だったのかと心配した。幸いにも、1・2
号機とも点検などでストップしていたために放射能漏れはなかったが、運転中だとどうな
っていたかわからない。地震後に多くの学者が見解を発表したが、気象庁の石川有三氏な
ど何人かが約3年以内に島根県東部でM6級地震発生の可能性があると発言している。ま
た神戸大学の石橋克彦教授は、「鳥取県西部地震は活断層が表れていないところで起こっ
た。今後は活断層の有無に関わらず原発直下で鳥取県西部地震規模の地震が起こり得るこ
とを考え、原発の耐震指針の見直しをしなければならない」と警告している。
島根原発1・2号機はM6・5の直下地震しか想定していないのでこれらの警告が当れ
ば大変な事になる。鳥取県西部地震(M7・3)と同じような規模の地震が島根原発近くで
起こり、重大事故に発展する危険性が強まったと言える。このような地域に原発が2機も
稼働し、さらに1機増設されようとしていることに対して市民は強い懸念を抱いている。
市長はどのように感じているか。
また、鳥取県西部地震は、原発事故への対応策を早急に立てる必要があることを改めて
示した。原発事故防災マニュアルを作ることを提案してきたが、いつをメドに作るのか。
マニュアルが作成されたら米子市も防災訓練をすべきではないか。
(答弁)
石橋先生などの警告は知っている。市民に不安があることは十分承知している。国・県
に対して安全指針見直しを強く要望したい。原発防災対策も充実させる必要がある。県が
マニュアルを作成中なので、それと整合性をはかって平成13年度には米子市のマニュア
ルを作りたい。訓練は一般住民にも放射能被害が十分理解されるような形でやりたい。



誤った歴史を子どもたちに教えないで!

教科書採択制度改悪の陳情,提出される

いま、とんでもない教科書が文部省の検定をパスしようとしています。扶桑社が作成し
た中学校の歴史教科書と公民教科書です。とんでもない記述の例を挙げてみますと…

《歴史教科書》
●「戦争に善悪はつけがたいどちらかが正義でどちらかが不正という話ではない。アメリ
カ軍と戦わずして敗北することを、当時の日本人は選ばなかったのである」「戦時下の国
民生活は生活物資が窮乏を極めた。だがこのような困難の中、多くの国民はよく働き、よ
く戦った。それは戦争の勝利を願っての行動であった」と、戦争を肯定し、国民が熱烈に
支持したと記述。
●「満州国」について、「中国大陸において初めての近代的治安国家を目指した」「急速
な経済成長を遂げ」「人々の生活は向上した」と書き、アジア太平洋戦争を、「侵略戦争
ではない」「やむを得なかった戦争」と正当化。「大東亜戦争の緒戦の勝利は、東南アジ
アやインドの人々、さらにはアフリカの人々にまで独立への夢と勇気を育んだのである」
と、ことごとく侵略戦争を美化している。
●「韓国併合は、日本の安全と満州の権益を防衛するためには必要であった(中略)。そ
れが実行された当時としては、国際関係の原則にのっとり、合法的に行われた」と、韓国
併合を合法化。植民地支配の実態(創氏改名、強制連行、徴兵制、従軍慰安婦)について
は全く触れていない。
●「国家神道の廃止や、いわゆる天皇の『人間宣言』は、日本神道や天皇に対する研究が
不足したまま、神道や天皇制度が戦争の原因だと短絡的に誤解したために行われた」「天
照大神の直系である神日本磐余彦尊(のちに神武天皇とよばれる)…は、大和の国を平定
して、畝傍山の東南にある橿原の地で、初代天皇の位を即いた」と、神話を歴史と同一視
し、天皇を賛美し、天皇の戦争責任を否定。

《公民教科書》
●「(大日本帝国憲法では)国民には多くの権利や自由が保証され、その制限には議会の
制定する法律を必要とするとされた」と大日本帝国憲法を美化。「第二次大戦後、憲法は
変わっても天皇のあり方には大きな変化はなかった。日本国憲法では(中略)国民主権の
もとで立憲君主制を維持することを確認している」と、日本国憲法を歪曲化。
●「社会や国家の秩序や利益を侵してはならないという制限が設けられている。憲法はこ
れを『公共の福祉』という言葉を用いて表現している」と、国家利益の前には基本的人権
は制限されるということを強調。
●「重要なのは、国家に対する忠誠と国防の義務である。これらの義務は日本国憲法には
定められていないが、諸外国の憲法には国民の崇高な義務として明記されている」「憲法
の解釈によれば、わが国は集団的自衛権を行使できないという意見があり、それが国際協
力の障害にもなっている。そのため、日本国憲法第9条の表現そのものを改正する必要が
強く唱えられている」と、国家に対する忠誠や憲法第9条の改正を主張。
●「核兵器は大量殺戮を可能とする兵器である。しかし逆にその危険性のために、核兵器
があると戦争がおこりづらくなる。つまり、核兵器には戦争抑止力があるということがで
きる」と、核兵器廃絶の世論や国是を否定。

その他にも、選挙制度の比例代表制は政治が不安定になると批判し、小選挙区制が適し
ていると主張。税制では、高所得者に高い税率をかけることは不公正であり、消費税が公
平であると主張。また、「夫婦同姓の制度も家族の一体制を保つ働きをしてきた」と、選
択的夫婦別姓制度化の動きに反対するなど、二つの教科書は徹頭徹尾片寄ったイデオロギ
ーに満ち満ちた内容です。
自民党や一部学者、右翼団体などによって1997年に結成された『新しい歴史教科書
をつくる会』は、日本の侵略責任を認めることは自虐的であるとして、教科書から従軍慰
安婦や南京虐殺の記述を削除するように教科書会社や執筆者に圧力をかけてきました。こ
れらの教科書はこの団体がバックになって作成し、学校で採用させようとしているもので
す。時代錯誤のこのような内容は歴史を捏造するものであり、あの戦争はアジアへの侵略
戦争であり、従軍慰安婦制度には日本軍が関与していたという日本政府の公式見解にも反
するものです。
『新しい歴史教科書をつくる会』は各地に支部を作り、これらの教科書を採用させるた
めの働きかけを地方議会に対して強めています。米子市議会にも、12月議会に陳情が提
出されました。この度の議会では私の属する総務文教委員会で、4対3で不採択にしまし
た。しかし、3月議会にも内容を変えた陳情が再度提出されようとしています。こんな教
科書が採用されたらこどもたちに間違った歴史が教えられ、日本を再び誤った方向に向か
わせることになってしまいます。市民のみなさんにも、関心を強めていただきたいと思い
ます。


議員報酬会計報告(2000年10月〜12月)

 (収   入)  

前月からの繰i入れ   -273,567
    議員報酬   1,500,000
      (50万円×3ケ月)
    期末手当   1,225,000
   年末調整     64,181
      


      合   計   2,515,614







 (支   出)  

議員共済掛金  171,125
所得税  191,525
国保料  159,000
慶弔会費(議会)   3,000
中川生活費  1,400,000
(28万円×3ケ月、期末手当2ケ月)
通信費  128,490
資料代   45,006
活動費  460,070
印刷費   64,050
次月繰越し  -106,652



 合   計  2,515,614


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